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TOP管弦楽曲(交響曲)ベートーヴェン>交響曲第3番「英雄」

交響曲


ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」


演奏時間:約52分

1600字程度

 ベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」は、ベートーヴェンが作曲した3番目の交響曲です。ベートーヴェン34歳の1804年に完成されました。イタリア語の原題に由来する「エロイカ」の名で呼ばれることも多くベートーヴェンの最も重要な作品のひとつです。

 この「英雄」の副題はフランス革命後の世界情勢の中、革命的英雄のナポレオンへの共感から、ナポレオンにささげる曲として作曲されました。しかし完成後まもなくナポレオンが皇帝に即位したという知らせを聞いたベートーヴェンが、「彼もまた俗人であったか」と激怒し、献呈辞が書いてある表紙を破り、楽譜を床にたたきつけたという、有名なエピソードがあります。そして2年たってから出版されたパート譜には「シンフォニア・エロイカ 、~一人の英雄の思い出を祭るために作曲された~」とイタリア語で添えられていました。

 この曲の構成は、それまでのハイドンやモーツァルトなどの古典派の交響曲や、ベートーヴェン自身の交響曲第1番、第2番から著しい飛躍が見られます。まず演奏時間が従来の常識を破った50分という長さ、第2楽章には歌曲風の楽章の代わりに葬送行進曲、第3楽章にはメヌエットの代わりにスケルツォ、といったそれまでの交響曲の常識からすると突然変異的ともいえる改変を試みています。そして終楽章にはロンド風のフィナーレの代わりに変奏曲が配置されています。それらはブラームス、ブルックナー、マーラーと続く、交響曲時代に多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

 1楽章 アレグロ・コン・ブリオ 変ホ長調 3/4拍子 ソナタ形式
全合奏で主和音が2回鳴り響き、それからチェロが有名な「英雄」のテーマを奏でます。全体は4部からなるソナタ形式ですが、巨大な展開部とコーダが特長です。ベートーヴェンがその本領を発揮して、精巧に、あらゆる変化を駆使して組み上げた展開部と、その後に続く圧倒的なコーダでクライマックスとなり雄大にこの曲を締めくくります。

 2楽章 葬送行進曲 アダージョ・アッサイ ハ短調 2/4拍子 小ロンド形式
今まで前例のない葬送行進曲と題された楽章です。告別式などでこれだけ単独に用いられることもある大変有名な行進曲です。弦楽器によって足を引きずるような葬送行進曲のメロディが登場し、オーボエに引き継がれていきます。トリオは明るい響きのオーボエによってうたいだされ、英雄の生前の回想を想わせます。

 3楽章 スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ホ長調 3/4拍子 複合三部形式
完全なスケルツォです。トリオはホルンの三重奏です。きわめてのどかに聞こえますが、しかし演奏者にとっては大変苦労するところですが、この曲の大きな聞きどころの一つとなっています。

 4楽章 フィナーレ:アレグロ・モルト 変ホ長調 2/4拍子 自由な変奏曲の形式
終楽章としては異例の変奏曲が用いられています(主題と10の変奏)。そしてここで使われる主題は、それまでの作品の中で何度も変奏曲主題として使用して来た、バレエ音楽「プロメテウスの創造物」の終曲のものが用いられています。変奏曲はベートーヴェンが非常に得意とした形式で、次から次へと聞きごたえのある変奏が続きます。徐々にテンポを落とし、短調になり、一息ついた後、急にフォルテになり、最後の盛り上がりにつながっていきます。



800字程度

ベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」は、ベートーヴェンが作曲した3番目の交響曲です。ベートーヴェン34歳の1804年に完成されました。イタリア語の原題に由来する「エロイカ」の名で呼ばれることも多くベートーヴェンの最も重要な作品のひとつです。

 この「英雄」の副題はフランス革命後の世界情勢の中、革命的英雄のナポレオンへの共感から、ナポレオンにささげる曲として作曲されました。しかし完成後まもなくナポレオンが皇帝に即位したという知らせを聞いたベートーヴェンが、「彼もまた俗人であったか」と激怒し、献呈辞が書いてある表紙を破り、楽譜を床にたたきつけたという、有名なエピソードがあります。そして2年たってから出版されたパート譜には「シンフォニア・エロイカ 、~一人の英雄の思い出を祭るために作曲された~」とイタリア語で添えられていました。

 この曲の構成は、それまでのハイドンやモーツァルトなどの古典派の交響曲や、ベートーヴェン自身の交響曲第1番、第2番から著しい飛躍が見られます。まず演奏時間が従来の常識を破った50分という長さ、第2楽章には歌曲風の楽章の代わりに葬送行進曲、第3楽章にはメヌエットの代わりにスケルツォ、といったそれまでの交響曲の常識からすると突然変異的ともいえる改変を試みています。そして終楽章にはロンド風のフィナーレの代わりに変奏曲が配置されています。それらはブラームス、ブルックナー、マーラーと続く、交響曲時代に多大な影響を与えたことは言うまでもありません。

1楽章 アレグロ・コン・ブリオ 変ホ長調 3/4拍子 ソナタ形式
2楽章 葬送行進曲 アダージョ・アッサイ ハ短調 2/4拍子 小ロンド形式
3楽章 スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ 変ホ長調 3/4拍子 複合三部形式
4楽章 フィナーレ:アレグロ・モルト 変ホ長調 2/4拍子 自由な変奏曲の形式



ベートーヴェン:交響曲第3番変「英雄」のCD

ベートーヴェンの交響曲第3番の総譜 (HTML)
IUDLP: The Indiana University Digital Library Program
ベートーヴェンの交響曲第3番の総譜 (PDF)
IMSLP: The International Music Score Library Project
ベートーヴェンの交響曲第3番の演奏 (RM,WM)
The Philadelphia Orchestra (全楽章, bit rate:64Kbps)






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