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TOP管弦楽曲(交響曲)ベートーヴェン交響曲第5番「運命」

交響曲


ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

交響曲第5番ハ短調作品67「運命」


演奏時間:約35分

1600字程度

 この交響曲第5番「運命」はその有名さ、演奏される回数の多さ、人気において、おそらくすべての交響曲の中でもこれに勝るものはないでしょう。とくにその第1楽章の冒頭の動機、「タ・タ・タ・ター」のメロディーはベートーヴェン自身が「運命はこのように扉をたたく」と言ったと、弟子のシントラーによって伝えられて以来、この交響曲そのものが、「運命」という名称で呼ばれるようになっていることも、人気を高めるための大きな要因のひとつにもなっているようです。このように日本では「運命」という名称で親しまれていますが、日本以外ではこの名称はあまり使われてはいないようです。

 「運命」の最初の「タ・タ・タ・ター」というモティーフほど簡潔で、しかも限りない可能性をこめている例はほかにはありません。ベートーヴェンの交響曲の中でも最も緻密に設計された作品であり、極限まで可能性が追求されたその形式美、構成力はベートーヴェンの創作活動の頂点のひとつとして、他の追随を許すもではありません。

 楽器の編成でも、ベートーヴェンはこの「運命」で、史上初めて交響曲にピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンを導入しました。当時の管弦楽では珍しい楽器だったこれらの楽器が、やがて管弦楽の定席を占めるようになったことを考えると、後の管弦楽法に与えた影響ははかり知れず、この点においても非常に興味深い作品であるといえるでしょう。

 曲の構成は交響曲の定型通り、4つの楽章で構成されています。「暗から明へ」という構成をとり、激しい葛藤を描いた第1楽章から、瞑想的な第2楽章、第3楽章の不気味なスケルツォを経て、第4楽章で歓喜が解き放たれるような曲想上の構成をとっています。

1楽章 アレグロ・コン・ブリオ ハ短調 2分の4拍子 ソナタ形式
いきなり「ダダダダーン」という有名な動機で始まります。この動機はこの後、曲全体で何百回も用いられ、最後までこの動機で埋め尽されます。第2主題はホルンによる「運命の動機」に導かれた後、ヴァイオリンによって優美で流れるような感じで出てきます。ここでも伴奏は「運命の動機」が使われています。展開部もこの動機によりエネルギーが高まっていったところで再現部、コーダへと続きます。

2楽章 アンダンテ・コン・モート  変イ長調 3分の8拍子 自由な変奏曲
1楽章の激しい緊張感を受けるように、ヴィオラとヴァイオリンが瞑想的な美しい主題を奏でます。これを弦楽合奏が、つづいて木管郡が受け答え、第2主題に入ります。前の楽章の対照的に非常に落ち着いた雰囲気を持った楽章です。

3楽章 アレグロ アタッカ ハ短調 3分の4拍子 複合三部形式
チェロとコントラバスによる、地の底から湧き出てくるような低音での「幽霊の動機」とも呼ばれる主題がでてきたあと、ホルンがいきなりffで「運命の動機」を力強く奏でます。トリオの部分では、ベルリオーズが「象が喜んで踊っているようだ」と評したといわれる、チェロとコントラバスの石ころの多い坂道をのぼるような主題が出てきます。主題は各楽器に引き継がれ、次の楽章に「切れ目なく入っていきます。

4楽章 アレグロ プレスト ハ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第3楽章の最後の短調の部分から,ハ長調に切り替わったとたんにクレッシェンドで膨れ上がってffの雄大な主題が凱歌を奏し始めます。ここではピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンが演奏に加わり、壮大な力強さが一気に増します。一瞬第3楽章の主題が回帰しますが、最後は迫力に押し切られるように息をもつかせぬ勢いで突き進み、コーダでは加速し「暗から明へ」における「明」の絶頂で華やかに曲を閉じます。



800字程度

  この交響曲第5番「運命」はその有名さ、演奏される回数の多さ、人気において、おそらくすべての交響曲の中でもこれに勝るものはないでしょう。とくにその第1楽章の冒頭の動機、「タ・タ・タ・ター」のメロディーはベートーヴェン自身が「運命はこのように扉をたたく」と言ったと、弟子のシントラーによって伝えられて以来、この交響曲そのものが、「運命」という名称で呼ばれるようになっていることも、人気を高めるための大きな要因のひとつにもなっているようです。このように日本では「運命」という名称で親しまれていますが、日本以外ではこの名称はあまり使われてはいないようです。

 「運命」の最初の「タ・タ・タ・ター」というモティーフほど簡潔で、しかも限りない可能性をこめている例はほかにはありません。ベートーヴェンの交響曲の中でも最も緻密に設計された作品であり、極限まで可能性が追求されたその形式美、構成力はベートーヴェンの創作活動の頂点のひとつとして、他の追随を許すもではありません。

 楽器の編成でも、ベートーヴェンはこの「運命」で、史上初めて交響曲にピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンを導入しました。当時の管弦楽では珍しい楽器だったこれらの楽器が、やがて管弦楽の定席を占めるようになったことを考えると、後の管弦楽法に与えた影響ははかり知れず、この点においても非常に興味深い作品であるといえるでしょう。

 曲の構成は交響曲の定型通り、4つの楽章で構成されています。「暗から明へ」という構成をとり、激しい葛藤を描いた第1楽章から、瞑想的な第2楽章、第3楽章の不気味なスケルツォを経て、第4楽章で歓喜が解き放たれるような曲想上の構成をとっています。

1楽章 アレグロ・コン・ブリオ ハ短調 2分の4拍子 ソナタ形式

2楽章 アンダンテ・コン・モート  変イ長調 3分の8拍子 自由な変奏曲

3楽章 アレグロ アタッカ ハ短調 3分の4拍子 複合三部形式

4楽章 アレグロ プレスト ハ長調 4分の4拍子 ソナタ形式



ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」のCD

ベートーヴェンの交響曲第5番の総譜 (HTML)
IUDLP: The Indiana University Digital Library Program
ベートーヴェンの交響曲第5番の総譜 (PDF)
IMSLP: The International Music Score Library Project
ベートーヴェンの交響曲第5番の演奏 (RM,WM)
The Philadelphia Orchestra (全楽章, bit rate:64Kbps)






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