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TOP管弦楽曲(交響曲)ベートーヴェン交響曲第6番へ長調

交響曲


ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン

交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」


演奏時間:約45分

1600字程度

 交響曲第5番「運命」と双生児とも呼ばれる交響曲第6番「田園」は、1801年の夏、ベートーヴェンが、その自然の風景をこよなく愛していたウィーン郊外のハイリゲンシュタットで作曲されました。第5番と第6番は同時期に作曲されたにもかかわらず、その2つはまさに対照的な性格をもっています。「運命」が一音の無駄もなく極めて凝縮され、精神的な迫力をもっているのに対して、「田園」はその明るさと自然の持つ開放感のある安らかさが溢れています。

 このように2曲は相反する性格をもっている反面、時を同じくして作曲されたある種の相関関係をもっていることがわかります。その冒頭ですが、「運命」のffと「田園」のpという違いはありますが、八分休符のあと、「タタタ」と入るところは全く同じです。そのあとフェルマータで終始してから 始まるところ、展開部での広がりなどは双生児のそのものでしょう。

 また楽器編成にも類似性がみられます。「田園」ではトランペットは第4楽章のみに使用され、トロンボーンは第4楽章と第5楽章のみに、ピッコロやティンパニなどの楽器も第4楽章のみで使用されています。これについても第4楽章のみピッコロやコントラファゴットを使用した第5番「運命」とよく似ています。

 ベートーヴェンの作った交響曲には、標題のついている作品がいくつかありますが、ベートーヴェン自身がタイトルを付けたのはこの交響曲だけです。そして各楽章にもそれぞれ標題が付けられています。ベートーヴェンはこの曲について「単なる田園の情景の描写ではなく、感情を表現したもの」と語っています。

 曲は5つの楽章で構成されていますが、通常の構成の第3楽章と終楽章の間に短い楽章がひとつはさまった形で、第3楽章から終楽章までは続けて演奏されます。

1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」
アレグロ・マ・ノン・トロッポ ヘ長調  4分の2拍子 ソナタ形式
八分休符のあと、「タタタ」と入る、交響曲「運命」とおなじリズムの動機で始まります。明るく親しみやすい有名な旋律で、田舎に着いた時の晴れ晴れした愉快な気分が表現されます。

2楽章「小川のほとりの情景」
アンダンテ・モルト・モッソ 変ロ長調  12分の8拍子 ソナタ形式
小川が静かに流れる情景を暗示する第1主題で始まります。楽章を通して小川のせせらぎの音が弦楽合奏で奏でられ、終結部ではフルートでナイチンゲール、オーボエでうずら、クラリネットでカッコウを真似た音型も演奏されます。

3楽章「農夫達の楽しい集い」
アレグロ ヘ長調  4分の3拍子 スケルツォ
陽気でユーモアに溢れたスケルツォです。最初の田舎の舞曲を思わせる歯切れの良い主題、その後のオーボエのひなびた旋律に、わざと変なタイミングで入ってくるファゴットもユーモラスです。

4楽章「雷雨、嵐」
アレグロ ヘ短調  4分の4拍子 特に決まった形式はない。
楽しい村民の集いを突然襲う、昼下がりの激しいにわか雨の様子が、非常に描写的に描かれています。楽章の最後では雷の音も遠ざかり、晴れ間から麗らかな田舎の情景が奏でられ、次の楽章に入ります。

5楽章「牧人の歌−嵐のあとの喜ばしい感謝に満ちた気分」
アレグレット ヘ長調  8分の6拍子 ロンドソナタ形式
雨が上がり、日が差し、自然への畏敬と感謝の牧歌が歌い上げられます。まずクラリネットがドルチェで奏で、それがこだましてからホルンに移ります。これに導かれて、感動的な牧人の歌がヴァイオリンからヴィオラ、チェロ、ホルンに受け継がれ喜びを奏でます。



800字程度

 交響曲第5番「運命」と双生児とも呼ばれる交響曲第6番「田園」は、1801年の夏、ベートーヴェンが、その自然の風景をこよなく愛していたウィーン郊外のハイリゲンシュタットで作曲されました。第5番と第6番は同時期に作曲されたにもかかわらず、その2つはまさに対照的な性格をもっています。「運命」が一音の無駄もなく極めて凝縮され、精神的な迫力をもっているのに対して、「田園」はその明るさと自然の持つ開放感のある安らかさが溢れています。

 このように2曲は相反する性格をもっている反面、時を同じくして作曲されたある種の相関関係をもっていることがわかります。その冒頭ですが、「運命」のffと「田園」のpという違いはありますが、八分休符のあと、「タタタ」と入るところは全く同じです。そのあとフェルマータで終始してから 始まるところ、展開部での広がりなどは双生児のそのものでしょう。

 また楽器編成にも類似性がみられます。「田園」ではトランペットは第4楽章のみに使用され、トロンボーンは第4楽章と第5楽章のみに、ピッコロやティンパニなどの楽器も第4楽章のみで使用されています。これについても第4楽章のみピッコロやコントラファゴットを使用した第5番「運命」とよく似ています。

 ベートーヴェンの作った交響曲には、標題のついている作品がいくつかありますが、ベートーヴェン自身がタイトルを付けたのはこの交響曲だけです。そして各楽章にもそれぞれ標題が付けられています。ベートーヴェンはこの曲について「単なる田園の情景の描写ではなく、感情を表現したもの」と語っています。

 曲は5つの楽章で構成されていますが、通常の構成の第3楽章と終楽章の間に短い楽章がひとつはさまった形で、第3楽章から終楽章までは続けて演奏されます。

1楽章「田舎に到着したときの晴れやかな気分」
アレグロ・マ・ノン・トロッポ ヘ長調  4分の2拍子 ソナタ形式
2楽章「小川のほとりの情景」
アンダンテ・モルト・モッソ 変ロ長調  12分の8拍子 ソナタ形式
3楽章「農夫達の楽しい集い」
アレグロ ヘ長調  4分の3拍子 スケルツォ
4楽章「雷雨、嵐」
アレグロ ヘ短調  4分の4拍子 特に決まった形式はない。
5楽章「牧人の歌−嵐のあとの喜ばしい感謝に満ちた気分」
アレグレット ヘ長調  8分の6拍子 ロンドソナタ形式




交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」のCD

ベートーヴェンの交響曲第6番の総譜 (HTML)
IUDLP: The Indiana University Digital Library Program

ベートーヴェンの交響曲第6番の演奏 (RM,WM)
The Philadelphia Orchestra (全楽章, bit rate:64Kbps)






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