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TOP管弦楽曲(交響曲)ベルリオーズ幻想交響曲

交響曲


ルイ・エクトル・ベルリオーズ

幻想交響曲Op.14


演奏時間:約50分

1600字程度

 幻想交響曲は、フランスの作曲家ベルリオーズの代表作というばかりではなく、その後の、交響詩や交響曲の作曲家に大きな影響を与えた交響曲史上でも重要な作品です。それまでの古典的な基礎の上にあった交響曲に対して、突如として現れた、表題を伴うその独創的な作品には大きな反響が寄せられました。

 この作品には「ある芸術家の生涯の挿話」という表題がつけられていますが、これはベルリオーズ自身の恋の体験をもとに作られたと言われています。作曲された当初は曲頭の表題に続いて、各楽章にも長い注解が書かれていましたが、のちに表題を残して削除されています。その注解を要約すると「感受性の強い、若い、はげしい想像力をもった芸術家が、恋の悩みに絶望して阿片自殺をはかる。しかしその分量が少なすぎで死にはいたらず、昏睡状態の中で奇怪な幻夢を見る。」というものです。

 幻想交響曲の大きな特徴は、「固定観念」です。「固定観念」とは、この作品を作曲する動機となった作曲者の熱愛する女性を、一定の旋律(固定観念)としてあらわし、各楽章の重要な場面において様々な形で登場させています。その熱愛する女性とは、1827年、ベルリオーズがパリで、イギリスのシェークスピア劇団による「ハムレット」を観た時に、その中でオフィーリアを演じたハリエット・スミスソンという女優でした。熱烈な恋をし、結婚を申し込みましたが、断られ、何度か自殺をしようとしたほど絶望していたといわれています。

第1楽章「夢、情熱」
長いラルゴの序奏が終わると、フルートとバイオリンで優雅さと気品を持ったゆっくりした旋律があらわれます。これが恋人をあらわす「固定楽想」で、全曲を通じてこの固定楽想がいろいろな場面で登場します。ベルリオーズはここに「夢の中で恋する女性が旋律となって現われる」と注記しています。

第2楽章「舞踏会」
弦楽器のトレモロにと2台のハープにより舞踏会のざわめきや華やかな雰囲気が表され、弦楽合奏でワルツが始まります。ベルリオーズの注記では「にぎやかな舞踏会で彼は恋人の姿を見かけるありさま」とあります。「固定楽想」の旋律が随所に現れ、最後はテンポの速い流麗なメロディーとともに華やかに終わります。

第3楽章「野辺の風景」
夏の夕べ、野辺で二人の牧童が笛を吹いています。恋をする人の未来への希望、身の回りのものすべてが彼に人生の愉しさを与えてくれるようです。ふと、恋人のことを思い出し「もし彼女に裏切られたら」というおそろしい不安に駆られます。そんな心理描写や自然の描写が巧みに表現されています。

第4楽章「断頭台への行進」
夢の中で彼は恋人を殺して、死刑を宣告されて断頭台へ向かって連れて行かれます。大勢の群集も一緒に行進していきます。最後の瞬間に恋人のおもかげが頭の中をよぎりますが、ギロチンの一撃で打ち切られてしまいます。

第5楽章「魔女の夜宴の夢」
ドイツに古くから伝説として伝えられている、ブロッケンの魔女たちの5月1日の前夜に行われる夜の宴で、すでに死をもたらされた自分が葬られるのに列席しています。まず彼が見たものは彼の葬式に集まってきた怪物や魔物と魔女達の踊りでした。そしてそこに彼女も現われますが、かつての気品を失って娼婦のようになりはてています。弔いの鐘が鳴り、聖歌「怒りの日」が奏でられ、やがて魔女の踊りと聖歌「怒りの日」が並行して続けられ、奔放、狂乱なクライマックスに到達します。



800字程度

 幻想交響曲は、フランスの作曲家ベルリオーズの代表作というばかりではなく、その後の、交響詩や交響曲の作曲家に大きな影響を与えた交響曲史上でも重要な作品です。それまでの古典的な基礎の上にあった交響曲に対して、突如として現れた、表題を伴うその独創的な作品には大きな反響が寄せられました。

 この作品には「ある芸術家の生涯の挿話」という表題がつけられていますが、これはベルリオーズ自身の恋の体験をもとに作られたと言われています。作曲された当初は曲頭の表題に続いて、各楽章にも長い注解が書かれていましたが、のちに表題を残して削除されています。その注解を要約すると「感受性の強い、若い、はげしい想像力をもった芸術家が、恋の悩みに絶望して阿片自殺をはかる。しかしその分量が少なすぎで死にはいたらず、昏睡状態の中で奇怪な幻夢を見る。」というものです。

 幻想交響曲の大きな特徴は、「固定観念」です。「固定観念」とは、この作品を作曲する動機となった作曲者の熱愛する女性を、一定の旋律(固定観念)としてあらわし、各楽章の重要な場面において様々な形で登場させています。その熱愛する女性とは、1827年、ベルリオーズがパリで、イギリスのシェークスピア劇団による「ハムレット」を観た時に、その中でオフィーリアを演じたハリエット・スミスソンという女優でした。熱烈な恋をし、結婚を申し込みましたが、断られ、何度か自殺をしようとしたほど絶望していたといわれています。

第1楽章「夢、情熱」
第2楽章「舞踏会」
第3楽章「野辺の風景」
第4楽章「断頭台への行進」
第5楽章「魔女の夜宴の夢」



ベルリオーズ:幻想交響曲のCD

幻想交響曲の旧全集版のリプリント
gifファイル。インディアナ大学図書館






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