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TOP管弦楽曲(交響曲)モーツァルト交響曲25番ト短調

交響曲


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
交響曲第25番ト短調K.183

演奏時間:約26分

1600字程度

 モーツァルトは、生涯のうちに41曲の交響曲を作曲しましたが。そのうち短調の作品は、この第25番ト短調と、後期の大傑作の第40番ト短調の2曲のみです。交響曲第25番ト短調は、第40番のト短調交響曲に対して、小ト短調とも呼ばれています。映画「アマデウス」の冒頭部分で使用され一躍有名になったこの曲は、モーツァルトがわずか17歳の時に作曲されました。少年の作とは思えないほど暗い情熱と悲劇的な緊迫感を示す作品で、モーツァルトの作品の中でもひときわ異彩を放っています。

 この交響曲第25番ト短調が作曲された1773年は、モーツァルトの交響曲の歴史を考える上で、きわめて重要な年になっています。この年の3月、父と一緒の3回目のイタリア旅行から故郷のザルツブルク戻ったモーツァルトは、4曲の交響曲を1ヶ月半の間に一気に書き上げています。そこにはイタリア色がまだ色濃く残されていました。そして、その後、7月からからは約2ヶ月間にかけてウィーンを訪問しています。そして、ウィーン滞在後の晩秋から翌年の春にかけて3曲の交響曲を作曲します。

 これらの3曲の交響曲は、イタリアの影響から完全に脱却してオーストリア的性格に向かうとともにモーツァルト独自の境地へ入り込んだものでした。その3曲とは、作曲順に交響曲第28番ハ長調、この交響曲第25番ト短調、交響曲第29番イ長調で、これまでの交響曲の総決算ともいえる傑作そろいです。中でもその変容ぶりをもっとも端的に示しているのが、「小ト短調」とも呼ばれるこの交響曲第25番でした。


 この交響曲の特筆すべき点としては、この時代にしては珍しくホルンを4本用いています。これはホルンの本数を増やして響きを豊かにするだけでなく、当時は自然管の楽器しかなかったため、また特に短調の場合は自然管で出せる音が限られてしまうため、G管とB♭管(アルト)の両方を使うことでそれを補おうとしたものでした。これによって第1、3、4楽章では不完全ながらもホルンが主題を奏でることが出来るようになっています。

第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ ト短調 4分の4拍子。ソナタ形式。
映画「アマデウス」の冒頭部分で使用されて一躍有名になった、荒々しいシンコペーションのリズムと急速に上昇していく旋律線で構成される第1主題がこの曲を強く印象づけています。

第2楽章 アンダンテ 変ホ長調 4分の2拍子。3部形式。
弱音器をつけたヴァイオリンとファゴットの対話のような哀愁をおびたメロディーが印象的です。

第3楽章 メヌエット ト短調 4分の3拍子。複合3部形式。
短調のメヌエットですが、管楽器のみによるトリオは明るく、かつ柔らかに輝いています。

第4楽章 アレグロ ト短調 4分の2拍子。ソナタ形式。
1主題はメヌエットの主題と類似しています。弦楽器に第1楽章で用いられていたシンコペーションの動機があらわれて、全体的な気分やシンコペーションのリズムなどは、第1楽章との強いつながりが示唆されています。



800字程度

 モーツァルトは、生涯のうちに41曲の交響曲を作曲しましたが。そのうち短調の作品は、この第25番ト短調と、後期の大傑作の第40番ト短調の2曲のみです。交響曲第25番ト短調は、第40番のト短調交響曲に対して、小ト短調とも呼ばれています。映画「アマデウス」の冒頭部分で使用され一躍有名になったこの曲は、モーツァルトがわずか17歳の時に作曲されました。少年の作とは思えないほど暗い情熱と悲劇的な緊迫感を示す作品で、モーツァルトの作品の中でもひときわ異彩を放っています。

 この交響曲第25番ト短調が作曲された1773年は、モーツァルトの交響曲の歴史を考える上で、きわめて重要な年になっています。この年の3月、父と一緒の3回目のイタリア旅行から故郷のザルツブルク戻ったモーツァルトは、4曲の交響曲を1ヶ月半の間に一気に書き上げています。そこにはイタリア色がまだ色濃く残されていました。そして、その後、7月からからは約2ヶ月間にかけてウィーンを訪問しています。そして、ウィーン滞在後の晩秋から翌年の春にかけて3曲の交響曲を作曲します。

 これらの3曲の交響曲は、イタリアの影響から完全に脱却してオーストリア的性格に向かうとともにモーツァルト独自の境地へ入り込んだものでした。その3曲とは、作曲順に交響曲第28番ハ長調、この交響曲第25番ト短調、交響曲第29番イ長調で、これまでの交響曲の総決算ともいえる傑作そろいです。中でもその変容ぶりをもっとも端的に示しているのが、「小ト短調」とも呼ばれるこの交響曲第25番でした。


 この交響曲の特筆すべき点としては、この時代にしては珍しくホルンを4本用いています。これはホルンの本数を増やして響きを豊かにするだけでなく、当時は自然管の楽器しかなかったため、また特に短調の場合は自然管で出せる音が限られてしまうため、G管とB♭管(アルト)の両方を使うことでそれを補おうとしたものでした。これによって第1、3、4楽章では不完全ながらもホルンが主題を奏でることが出来るようになっています。

第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ ト短調 4分の4拍子。ソナタ形式。
第2楽章 アンダンテ 変ホ長調 4分の2拍子。3部形式。
第3楽章 メヌエット ト短調 4分の3拍子。複合3部形式。
第4楽章 アレグロ ト短調 4分の2拍子。ソナタ形式。



交響曲第25番ト短調K.183のCD

モーツァルト:交響曲第25番ト短調K.183の楽譜(PDF)
IMSLP: The International Music Score Library Project






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