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TOP管弦楽曲(交響曲)モーツァルト交響曲第40番ト短調

交響曲


ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
交響曲第40番ト短調 K.550

演奏時間:約26分

1600字程度

 交響曲第40番ト短調 K.550は、モーツァルトの全楽曲の中でも、最も有名な曲の1つでしょう。モーツァルトの交響曲のうち短調のものはこの作品を含めてわずか2曲しかなく、その両方がト短調であるため、交響曲第40番を「大ト短調」、もう一方の交響曲第25番を「小ト短調」と呼ぶことがあります。

 交響曲第40番はモーツァルト32歳の1788年7月にウィーンで完成されました。同年6月に作曲された交響曲第39番、8月に作曲された交響曲第41番とともに「3大交響曲」とも呼ばれています。

 「ジュピター」を作曲した頃のモーツァルトは1786年のオペラ「フィガロの結婚」、1788年のオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の成功により、作曲家としての活動がピークにあった時期でした。ところが経済的には大変苦しい状況にあり、また1787年5月には父親レオポルトの死去、同年末に生まれた長女テレジアは翌年1788年6月に夭逝しており、身内の不幸も続いていました。モーツァルトはこの困窮からの抜け出すために予約演奏会を計画し、そのため、わずか2ヶ月間という驚くべき短期間で、性格の違う3つの交響曲を一気に書き上げたことは、モーツァルトの天才ぶりをよく表わしているといえます。

 この曲の初演に関する記録は残されていないため正確にはわかっていませんが、現在ではモーツァルトの生前には演奏されていたと推測されています。それは初稿のほかに2本のクラリネットを含んだ木管のパートを追加した改訂版が残されており、モーツァルトが実際に演奏する目的なしに曲を改訂するとは考えにくいという説からです。

 曲の編成はティンパニとトランペットが使われていないのが特徴で、フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦4部で編成されています。初稿と改訂版があり、改訂版では2本のクラリネットを付け加え、オーボエの楽想をクラリネットに分担させ、表現力が多彩になっています。現在では指揮者によってどちらの版も演奏の機会があります。

1楽章 モルト・アレグロ ト短調 2/2拍子 ソナタ形式
ヴィオラの伴奏で、ヴァイオリンのオクダーヴによって有名な第1主題が奏されます。この第1主題の旋律、2音の短二度下降型は「ため息のモチーフ」とも呼ばれ、全曲で姿を現し蔭りを与えます。

2楽章 アンダンテ 変ホ長調 6/8拍子 ソナタ形式
緩徐楽章ですが、旋律のリズムが明瞭ではなく、32分音符を付されたもどかしいフレーズが続くため、流麗さよりも不安定さを感じさせる楽章となっています。

3楽章 メヌエット(アレグレット) ト短調 3/4拍子 複合三部形式
暗く蒼古な趣をもったメヌエット。主旋律が一般的な8小節単位の組み合わせではなく、各所で3小節単位となったり2小節単位の寸足らずになったりするため、変拍子的な印象を与えています。

4楽章 アレグロ・アッサイ ト短調 2/2拍子 ソナタ形式
このフィナーレの構成は様々な点で第1楽章に対応しています。第1楽章の第1主題にも似た、決然とした分散和音の主題で開始されます。圧巻は展開部で、めまぐるしく転調しながら激しい緊張を作りだし、そのまま終止まで突き進みます。



800字程度

 交響曲第40番ト短調 K.550は、モーツァルトの全楽曲の中でも、最も有名な曲の1つでしょう。モーツァルトの交響曲のうち短調のものはこの作品を含めてわずか2曲しかなく、その両方がト短調であるため、交響曲第40番を「大ト短調」、もう一方の交響曲第25番を「小ト短調」と呼ぶことがあります。

 交響曲第40番はモーツァルト32歳の1788年7月にウィーンで完成されました。同年6月に作曲された交響曲第39番、8月に作曲された交響曲第41番とともに「3大交響曲」とも呼ばれています。

 「ジュピター」を作曲した頃のモーツァルトは1786年のオペラ「フィガロの結婚」、1788年のオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の成功により、作曲家としての活動がピークにあった時期でした。ところが経済的には大変苦しい状況にあり、また1787年5月には父親レオポルトの死去、同年末に生まれた長女テレジアは翌年1788年6月に夭逝しており、身内の不幸も続いていました。モーツァルトはこの困窮からの抜け出すために予約演奏会を計画し、そのため、わずか2ヶ月間という驚くべき短期間で、性格の違う3つの交響曲を一気に書き上げたことは、モーツァルトの天才ぶりをよく表わしているといえます。

 この曲の初演に関する記録は残されていないため正確にはわかっていませんが、現在ではモーツァルトの生前には演奏されていたと推測されています。それは初稿のほかに2本のクラリネットを含んだ木管のパートを追加した改訂版が残されており、モーツァルトが実際に演奏する目的なしに曲を改訂するとは考えにくいという説からです。

 曲の編成はティンパニとトランペットが使われていないのが特徴で、フルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2、弦4部で編成されています。初稿と改訂版があり、改訂版では2本のクラリネットを付け加え、オーボエの楽想をクラリネットに分担させ、表現力が多彩になっています。現在では指揮者によってどちらの版も演奏の機会があります。

1楽章 モルト・アレグロ ト短調 2/2拍子 ソナタ形式
2楽章 アンダンテ 変ホ長調 6/8拍子 ソナタ形式
3楽章 メヌエット(アレグレット) ト短調 3/4拍子 複合三部形式
4楽章 アレグロ・アッサイ ト短調 2/2拍子 ソナタ形式



モーツァルト:交響曲第40番ト短調 K.550のCD

交響曲第40番ト短調 K.550の楽譜 (PDF)
IMSLP: The International Music Score Library Project






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