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TOP管弦楽曲(協奏曲)チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番


ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23


演奏時間:約30


1600字程度

 チャイコフスキーは3曲のピアノ協奏曲を作曲していますが、この曲があまりにも有名になったので,他の2曲は影の薄い存在になっていてほとんど演奏される機会がなく、演奏会で取り上げられる回数、レコードの録音数などもあまり多くありません。一般にチャイコフスキーのピアノ協奏曲と言えば、この第1番を指します。ピアノ協奏曲第1番はロシア的で色彩豊かなオーケストレーションと独奏ピアノの華やかさで、チャイコフスキーの出世作ともいえる作品です。また最もポピュラーなピアノ協奏曲の一つとして、多くの人々に喜んで聴かれ、多くのピアニストによって好んで演奏されています。

 このピアノ協奏曲第1番は1874年、チャイコフスキーが34歳のときに約一ヶ月をかけて作曲されています。当時のチャイコフスキーはモスクワ音楽院教授の職にあり、多くの作品を発表していたので、作曲家としても相当に知られていました。チャイコフスキーはこの作品をモスクワ音楽院の初代校長のニコライ・ルビンシテインに献呈しようと考え、1874年のクリスマスに、ルビンシテインと音楽院の同僚フーベルトに自身が演奏して聞かました。ところがルビンシテインからは思いがけず、「この作品はピアノに不適当だ、けばけばしい、独創性が無いとかさんざんこきおろし、書き直すなら演奏会で弾いてもよいが・・・」とまで酷評されてしまいます。

 そのためにチャイコフスキーは、著名なドイツ人ピアニストで指揮者のハンス・フォン・ビューローに初演を依頼します。ビューローは、この作品を「独創的で驚嘆すべき名曲である」と評し、この曲をアメリカでの演奏旅行に携え、1875年10月25日ハンス・フォン・ビューローのピアノよりアメリカのボストンにて初演され、大成功を収めます。このような事情からこの曲はハンス・フォン・ビューローに献呈されています。

 ルビンシテインは3年後、チャイコフスキーに謝罪し、それ以降ルビンシテインをこの曲をしばしば演奏会にとりあげ、この協奏曲を世に知らしめる役割を果たし、チャイコフスキーとの関係ももとにもどっています。

1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ 変ロ長調、3分の4拍子
いきなりホルンによる、力強く踏み鳴らすような印象的な出だしで始まります。この下降してくるモチーフは誰でも知っている非常に有名な部分です。このモチーフがピアノとオーケストラによって3~4分にわたり繰り広げられますが、なぜかこのモチーフは以降二度と再現されません。その後気分は一変し、ピアノにせわしなく動き回るような旋律が現れます。続いてクラリネットに美しい旋律が現れ、展開部ではこれらの第2主題がピアノを中心にと変転していきます。その後は再現部の長大なカデンツァを経て終結部に入っていきます。

2楽章 アンダンティーノ・センプリーチェ 変ニ長調 6分の8拍子 3部形式。
弦楽器のピツィカートの上にフルートによって牧歌のような叙情的なメロディが出てきます。ピアノがこのメロディを引き継ぎ。次いでチェロ、オーボエで演奏されます。中間部はおどけるような感じのスケルツォになり、再度、最初の部分が戻ってきて静かな雰囲気で楽章を閉じます。


3楽章 アレグロ・コン・フォーコ 変ロ短調、4分の3拍子 ロンド形式。
気分は一転して、突然のティンパニの1発から始まります。スラブ舞曲ようなの線の太い武骨的な主題が激しく現れ、ピアノの華麗な技巧が駆使されます。つぎに弦楽器による家謡風の美しいメロディの第2主題が現れます。これらの主題が再現した後、さらに展開されクライマックスに。フィナーレはピアノとオーケストラが掛け合いをし華やかに曲を閉じます。



800字程度
 チャイコフスキーは3曲のピアノ協奏曲を作曲していますが、この曲があまりにも有名になったので,他の2曲は影の薄い存在になっていてほとんど演奏される機会がなく、演奏会で取り上げられる回数、レコードの録音数などもあまり多くありません。一般にチャイコフスキーのピアノ協奏曲と言えば、この第1番を指します。ピアノ協奏曲第1番はロシア的で色彩豊かなオーケストレーションと独奏ピアノの華やかさで、チャイコフスキーの出世作ともいえる作品です。また最もポピュラーなピアノ協奏曲の一つとして、多くの人々に喜んで聴かれ、多くのピアニストによって好んで演奏されています。

 このピアノ協奏曲第1番は1874年、チャイコフスキーが34歳のときに約一ヶ月をかけて作曲されています。当時のチャイコフスキーはモスクワ音楽院教授の職にあり、多くの作品を発表していたので、作曲家としても相当に知られていました。チャイコフスキーはこの作品をモスクワ音楽院の初代校長のニコライ・ルビンシテインに献呈しようと考え、1874年のクリスマスに、ルビンシテインと音楽院の同僚フーベルトに自身が演奏して聞かました。ところがルビンシテインからは思いがけず、「この作品はピアノに不適当だ、けばけばしい、独創性が無いとかさんざんこきおろし、書き直すなら演奏会で弾いてもよいが・・・」とまで酷評されてしまいます。

 そのためにチャイコフスキーは、著名なドイツ人ピアニストで指揮者のハンス・フォン・ビューローに初演を依頼します。ビューローは、この作品を「独創的で驚嘆すべき名曲である」と評し、この曲をアメリカでの演奏旅行に携え、1875年10月25日ハンス・フォン・ビューローのピアノよりアメリカのボストンにて初演され、大成功を収めます。このような事情からこの曲はハンス・フォン・ビューローに献呈されています。

 ルビンシテインは3年後、チャイコフスキーに謝罪し、それ以降ルビンシテインをこの曲をしばしば演奏会にとりあげ、この協奏曲を世に知らしめる役割を果たし、チャイコフスキーとの関係ももとにもどっています。

1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ・エ・モルト・マエストーソ 変ロ長調、3分の4拍子
2楽章 アンダンティーノ・センプリーチェ 変ニ長調 6分の8拍子 3部形式。
3楽章 アレグロ・コン・フォーコ 変ロ短調、4分の3拍子 ロンド形式。


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CD チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23







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