第3楽章が有名な「トルコ行進曲」です。トルコ行進曲はベートーヴェンの「エリーゼのために」などと並ぶ有名な曲で、この楽章だけが単独で演奏される機会も多く、また他のジャンルにも編曲されて用いられています。
このピアノソナタが、いつごろ、またどこで作曲されたのかはよくわかっていません。現在、最も有力な説は、1783年ころウィーンあるいはザルツブルクで作曲されたとするものです。この作品が作曲されたと考えられる1783年頃のウィーンは、トルコ軍によるウィーン包囲に対してハプスブルクが勝利を収めてから100周年の年に当たり、東方風のスタイルが流行しており、トルコ行進曲は、こうした世相を反映して作られたものと考えられます。ソナタといっても正規のソナタ楽章がないのも特徴です。
第1楽章 アンダンテ・グラツィオーソ イ長調 8分の6拍子 主題と変奏曲
シチリアーナ風の主題は、ピアノ演奏の優雅さを象徴する映像シーンなどにしばしば登場します。
第2楽章 メヌエット イ長調 4分の3拍子
規模の大きいトリオつきのメヌエット。
第3楽章 アラ・ツゥルカ アレグレット イ短調 4分の2拍子
有名な「トルコ行進曲」。
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