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 電子ピアノ、キーボード

電子ピアノとアコースティックピアノの違いは

電子ピアノのメリット

キーボードと電子ピアノの違い




 電子ピアノとアコースティックピアノ(生ピアノ)の一番の違いは構造にあります。アコースティックピアノ(生ピアノ)は弦をハンマーで叩いて音を出しますが、電子ピアノには弦はありません。電子ピアノの音は生ピアノの音を録音した「サンプリング」という方式を取っています。鍵盤がスイッチになっていて、鍵盤を押すとそれに対応する音がスピーカーから再生されるようになっています。

こうした構造の違いからアコースティックピアノと、電子ピアノでは表現力やタッチ(鍵盤を弾いた感覚)に大きな違いがあります。電子オルガンの高額機種でも鍵盤を押す強さ、速さなどによって、音の大きさや音質が変わる機能(タッチレスポンス機能)もあり、タッチの感覚もかなりピアノに近くなってはいますが、やはり音楽の表現力という点はどうしてもアコースティックピアノにはとって代えられないところです。



ピアノを練習する家庭の9割が電子ピアノと言われるほど普及している電子ピアノですが、その利点は安価、軽い、静か、という点にあるといえます。
【安価

生ピアノを買おうとした場合、最も安い価格帯のアップライトピアノで60万円前後。しかし電子ピアノでは数万円程度のものから、タッチレスポンス(鍵盤を叩く強さによって音量が変わること)式のものでも20万円程度で買えます。

軽い】

アコースティックピアノは200kg以上有り、気軽に移動できませんが、電子ピアノは重量も40〜80kg前後のものが多く、時にはコンサート等にも移動して使用が可能です。

静か】

アコースティックピアノはマンションなどの場合、騒音の問題で楽器禁止とされているところもありますが、電子ピアノはヘッドフォンを使用すれば夜間でも練習ができます。

その他

自分で演奏したものを自由に録音、再生ができる機能や、機種によっては様々な楽器の音色を鳴らすことができたり、自動伴奏といった楽しみ方が出来るのも電子ピアノならではの利点です。



 キーボードといえば鍵盤楽器のことであり、アコースティックピアノもキーボードの一種ですが、一般にはポピュラー音楽やロックやポップスにおいて使用される電子鍵盤楽器をキーボードと呼んでいます。

 キーボードはシンセサイザーに鍵盤をつけた楽器ですが、電子ピアノ、電子オルガン、エレクトーンも同じように中身はシンセサイザーです。シンセサイザーとは電子的に音を合成して出力する機器の総称ですので、入力形式が鍵盤だけとは限りませんが、鍵盤式(キーボード)が多いため、キーボードとシンセサイザーが混同されることが多いようです。

 キーボードは機能的には電子ピアノと同じように、「安価」「軽く」「静か」(ヘッドフォン使用)で大変便利な楽器です。さまざまな音色を持ち、簡単に伴奏を行うことができ、ドラムセットの演奏を自動で行う機能を持っています。そして廉価なものを除けば、鍵盤を押す速度を関知して、強弱を表現することができるタッチレスポンス機能がついています。

 しかし、アコースティックピアノや電子ピアノと、キーボードは大きく異なるところがあります。それは鍵盤のタッチです。キーボートの鍵盤は薄い板バネのようなもので作られ、鍵盤を押したあと「押し続ける」ことが必要になり、このためタッチはかなり軽くつくられています。これはピアノのタッチとは全く違う感覚です。この鍵盤の重さの違いは電子ピアノとキーボードは違う楽器といわれる所以です。特に廉価のキーボードは音を出すオモチャと考えれば楽しく使えますが、ピアノの代用にはならないと言えます。