TOPピアノの話・雑学ピアノのペダル3本の働きは?


  ピアノのペダル3本の働きは?


 通常、ピアノのペダルは3本あり、グランドピアノ、アップライトピアノそれぞれ特有の機能を持っています。それでは、どのような使い方をするのでしょうか。

【右のペダル】
 一番右のペダルは、ダンパーペダルと呼ばれ、音を十分に響かせる効果があります。このペダルを踏むとダンパーがいっせいに弦から離れ、鍵盤から指を離してもダンパーは弦から離れたままになるので、音を長く持続させたり、その音に重ねて次の音を弾くことができます。また倍音も共振して共鳴が起こり、豊かな響きになります。
 ペダルの踏み方は、伸ばしたい音の鍵盤の音を出してからすぐに踏みます。そうすると、弾いた音だけがしばらくの間切れずに鳴ります。


【左のペダル】
 
一番左のペダルはソフトペダルと呼ばれ、ピアノ音全体を柔らかい音にします。 ピアノの中音域では、1つの音に対して三本の弦が張られていますが、左ペダルを踏むと鍵盤が揃って右側へ2〜3ミリ移動します。そして三本ではなく二本の弦しか打てなくなります。これにより、普段弦を打つのと違う位置のフェルトに当たるので、柔らかい部分で打つことになり、音色も柔らかく変わります。
 一流ピアニストの中には、ソフトペダルを位置を絶妙にコントロールして音色を大きく変化させる奏者もおり、グランドピアノの大きな魅力の一つとなっています。
 アップライトピアノの場合は、ソフトペダルを踏むとハンマー全体が弦に近づく仕組みとなっています。打弦距離が3分の1程度弦に近づくことによって、同じ力で打鍵しても音が弱まります。ただしタッチ感が変わってしまい、また音色も変化しません。


【真中のペダル】
 真ん中のペダルはソステヌートペダルと呼ばれ、ある鍵盤を押した後ソステヌートペダルを踏み込みむとその音だけがキーを戻してもダンパーヘッドが上がったままになり、その音だけを響かせづける事が出来ます。
 ちょっと面白いこのペダルは、20世紀のピアノ曲やポピュラー音楽などで効果的に使われるだけで、実際には無くても不自由しないペダルです。 
 アップライトピアノではマフラーペダルと呼ばれ、このペダルを踏むと弦とハンマーの間に薄いフェルト又はクロスが下がります。この上からハンマーが弦を叩くことになるため、音量をかなり下げる効果があります。