日本においてクラリネットを一躍親しみやすい楽器にしたのが、童謡「クラリネットをこわしちゃった」ですね。
日本では、石井好子氏の訳、服部克久氏の編曲により、NHKの「みんなのうた」でダークダックスが歌って、広く知られるようになりましたが、これはフランス民謡で「私はドの音を無くした 「J'ai perdu le do ジェ・ペルドュ・ル・ド」(作詞作曲者・不詳)という子供向けの行進曲です。
「クラリネットをこわしちゃった」の歌の中で特に印象深いフランス語の歌詞「Au pas, camarade(オ・パ、キャマラード)」の部分ですが、この部分ではその直前の歌詞「Au pas cadence(オ・パ・キャドンス/「リズムに合わせて」の意)」の部分の繰り返し部分で、繰り返すフレーズではcadence(キャドンス)の部分が省略されて「camarade(キャマラード/人への呼びかけに用いる)」が付け加えられて、「オ・パ・キャマラード」となったと考えられます。
もともとは、「La Chanson de l'Oignon 玉葱の歌」という題のナポレオンの時代(18世紀末〜19世紀初頭)の行進曲に、新たな歌詞がつけられたものだという説がありますが、真意のほどはさだかではありません。
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