ファゴットのはっきりした起源や成り立ちはいまだに不明ですが、ダブルリードのU字型の低音楽器はすでに16世紀に現れ、17世紀初期には、ディスカント・ファゴットからクイント・ファゴットまで、音域が違う5種類の楽器があったことが、わかっています。 18世紀に入って、元来キーが2つだったものにキーが付加され4キー式のファゴットが標準型となりました。その後、ドイツ、イギリスなどで改良が進められ、19世紀までには8キー式のファゴットが製作されました。 19世紀以降はフランス式とドイツ式のそれぞれの規格が明確になったことで現在のファゴットが完成されました。ほとんどの国で使われている現在のファゴットは、1880年頃ドイツの楽器メーカー、ヘッケル社が完成させた「ヘッケル式」と呼ばれるものです。