ナルコレプシーの原因はまだはっきりとは明らかにされていませんが、最近の研究では、オレキシンという脳内物質の欠乏が、この病気の発症に関わっていることが指摘されています。
オレキシンは視床下部から分泌される神経伝達物質で、オレキシン遺伝子を破壊したマウスの実験では、ナルコレプシー症状が現れることが確認されています。
また、オレキシン神経細胞を破壊し人為的にナルコレプシーを引き起こしたマウスに対し、オレキシン遺伝子を導入したり、脳内にオレキシンを投与することでナルコレプシー症状が改善されることも確認されています。
そして、ナルコレプシー患者の研究においても視床下部のオレキシンを作る神経細胞が消滅していることが確認されています。
ナルコレプシーの90パーセント以上の患者で髄液中のオレキシンが検出されないことも報告されています。
また、ナルコレプシーの患者は睡眠時無呼吸症候群にかかっている人が多いことも確認されています。しかし、睡眠時無呼吸症候群はナルコレプシーの主症状ではありません。
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