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アルコール依存症は治りますか
コントロールを失う病気ですから、自己流でやめるのは無理があります。しかし治療と援助を受ければやめられます。最も大変なのは、本人が「何としても立ち直ろう」という強い意思を持って、アルコールを完全にやめなければなりません。
飲酒量を減らせば大丈夫という考え方は大変危険です。心と体がアルコールを覚えてしまっているので、アルコールを一口、口にするとすぐに抑制がきかなくなり、元に逆戻りしてしまう危険が強いので、完全に断ち切らなくてはなりません。
専門の治療の場や回復を続けるための自助グループは、全国各地にあり、実際にたくさんの人が回復し社会復帰しているますのでご安心下さい。
アルコール依存症の治療には薬がありますか
現在のところはアルコール依存症を治す薬はありません。薬は断酒の手助けをする目的で使用されます。例えば、気分の落ち込みが強い時は抗うつ薬、不安が強い時は抗不安薬、また、幻覚がある場合は抗精神病薬を使用します。また、お酒を飲むと気持ち悪くなる作用がある薬もあります。
どのような人がアルコール依存症になりやすい
子供の頃に虐待を受けて心に傷を負っている人、日常のストレスが強い人、また、気分の落ち込みが強い人はアルコール依存症へのリスクが高くなります。アルコールが、心の中で抱えている問題から逃れるための手段になってしまうからです。
男性と女性のアルコール依存症の違い
女性の場合はアルコール依存症になるきっかけが、心理的な問題に起因することが多いといわれています。女性の場合は家の中で隠れて飲酒することが多く、男性のように家族に暴力をふるったり、人間関係のトラブルを起こすなど目立った異常が現れにくい傾向があります。
そして、こうした自分の飲酒習慣や生活態度に強い罪悪感を抱き、その苦しさからますます酒に逃げたり、時には自殺を企てることも稀ではありません。ですから、異常に気づいたらすぐに病院で専門家に相談することが、本人をその辛さから救うことにもなります。
アルコール依存症は遺伝する
親がアルコール依存症であると子供もアルコール依存症になりやすい傾向があることが指摘されています。
ある調査では、親がアルコール依存症である場合、子供がアルコール依存症になる確率は18%であるのに対し、血縁関係はない養父母がアルコール依存症である場合、子供がアルコール依存症になる確率は5%と報告されています。
とすれば、こういう危険因子を持つ人は、より飲酒に注意して、アルコール依存症にならないように注意するべきといえましょう。だたし、アルコールは嗜好品なので、飲まなければ、アルコール依存症になる危険は防ぐことができるということです。
抗酒剤について
アルコールの大半は肝臓で分解さアセトアルデヒドという物質に変わります。このアセトアルデヒドは、非常に毒性が強く、頭痛や動悸、吐き気などの不快感を起こします。
つまり、悪酔いの症状はこのアセトアルデヒドが原因です。お酒に弱い人はアセトアルデヒドが体にたまりやすい人といえます。
抗酒剤は、このアセトアルデヒドが分解されるのを阻害する作用があります。そこで、抗酒剤を飲んでからアルコールを飲むと、すぐに気分が悪くなって、お酒を楽しめなくなるのです。といっても、抗酒剤はあくまでもやめようとする本人の意思を手助けするもので、抗酒剤を飲めば酒をやめられるわけではありません。
アルコールを飲んでも顔が赤くならない人は大丈夫
顔が赤くなるのは、体内に入ったアルコールが分解される過程でできる有害物質アセトアルデヒドの作用です。一般に「酒に強い」と言われる人は、このアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが正常で、分解がスムーズなので、飲んでも顔に出ないのです。
反対に「弱い」と言われる人は、酵素の働きが弱い、もしくは全く働かない人で、アセトアルデヒドが長時間体内に留まり、顔が赤くなるのです。つまり、顔色が変わらない人は、たくさん飲んでも体調に異変がないため、気づかないうちに大量のアルコールを摂取してしまうことになり、かえって依存症になる危険性大なのです。 |
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