地声を鍛える
プロのヴォーカリストになるためには、最初は地声を徹底してきたえましょう。裏声中心で歌う場合は、感情を表現するにも、かなり高い技術的完成度が求められます。
それに対して地声は声域も音量もトレーニングによってかなり伸びます。
地声の実力を十分につけたうえで、必要があれば裏声やファルセット(男性歌手が声域の上限を広げるために用いる高い声)を使うようにするのがいいいでしょう。
声や言葉そのものが持つ表現力や魅力を犠牲にしてまでも、高い音や響きを急いで無理やりつくっていくのはよくありません。
世界の一流のヴォーカリストの中には、低い声で成功している人もたくさんいます。日本では考えられないほどハスキーな低い声で独自の世界を表現している人も多くいます。
他人と違う声やフレーズにこそオリジナリティや個性の芽が宿ります。自分にしかない声を正しく取り出し、それを使いこなしてこそ豊かな表現の可能性が出てくるでしょう。