プロのヴォーカリストになるためのテクニックやトレーニングについて解説しています。

腹式呼吸を身につける

診察を受ける子ども

ヴォイス・トレーニングや発声法は、呼吸に始まって呼吸で終わります。

 

息の吐き方ひとつで、声を扱う基本が身についているかどうかわかるほど大切なものだからです。

 

呼吸は、手足を動かすように簡単にはコントロールできません。なぜなら呼吸とは肺自体が膨らんだり縮んだりして行うのではなく、胸郭が横隔膜や肋骨筋などの働きによって拡張、収縮することを受けて行われるからです。

 

呼吸法には胸式と腹式がありますが、実はそれほど厳密に区分できるものではありません。

 

胸式呼吸は、ラジオ体操の深呼吸でわかるように、肋骨の引き上げ、引下げによって胸郭が広がることで息を吸い、胸郭が狭まることで息を吐き出します。

 

それに対して、腹式呼吸というのは、横隔膜の働きを主とした呼吸です。帽子のような形でついている横隔膜が、筋肉の収縮によって平らになると空気が入り、その筋肉がゆるみ、横隔膜が元通りになると、肺の中の空気が吐き出されるのです。

 

この胸式と腹式がともに働いて呼吸が行われるのですが、歌は普通の呼吸ではとても支えきれないので、腹式をより鍛えて使えるようにしていきます。