プロのヴォーカリストになるためのテクニックやトレーニングについて解説しています。

太く迫力のある声作り

診察を受ける子ども

一流のヴォーカリストのシャウト(叫ぶように歌う)は、どんな高い音でも太く、迫力ある声になっています。

 

ところが多くの人には、その音色やボリューム感、インパクトがまったく出せません。

 

プロが全身で叩きつけてくる声に、普通の人が口先で出した声がかなわないのは明らかです。

 

まずは、口先で歌を覚えることよりも、全身から吐き出せる声を獲得することが優先になります。のどではなく、全身からそのような声で歌えるのは、鍛えられた体と耳があるからです。

 

たとえば一流のヴォーカリストの息継ぎのところに注意してみてください。彼らが深い息で、体の芯から出ている声で歌っていることに気づくでしょう。

 

自分にとって今歌いやすい声よりも、あとあと伸びていく声を中心に使ってかなくてはなりません。その声は口先でなく、体と深い息に支えられています。

 

初心者の人でも、体がある程度使え、息がお腹の底から吐けるようになると、スタッカートで「ハッ」「ハッ」「ハッ」と叫ぶとはかなり大きな声が出るようになってきます。

 

しかし、これはまだ瞬時に出るだけで、継続して出ているわけではありませんが、本当の声で歌うためのきっかけが、つかめてきたというわけです。

 

このスタッカートの時に胸に感じる深いポジションをそのまま維持して、同じ音色、感覚で声を長くのばすトレーニングをしていくことが重要です。


深い息をスタッカートからレガートにつなげるトレーニング

1.スタッカートの「ハッ」「ハッ」「ハッ」を「ハッハッハッハッハッ」という感じで1オクターブ上下降します。このとき、鋭く声が切れるようにします。お腹で息を切ります。のどに負担を感じないようにします。次に同じようにレガートで「ハーハーハーハーハー」と声をつなげます。

 

2.1で確実に同じ音色で出せた範囲内の声域だけを使います。今度はドレミレドと音程の「ハッ」をスタッカートで「ハッハッハッハッハッ」と出します。そのあとレガートで「ハーハーハーハーハー」と出します。

 

これを同じ声でできたら、半音上げたり、下げたりしてみます。そして確実に使える声域の中で上下降させていきます。