クラシック音楽とは
クラシック音楽の分類
クラシック音楽の歴史
クラシック音楽の楽器
クラシック音楽用語集 |
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■クラシック音楽とは
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狭義には、ヨーロッパにおいて17世紀ごろから19世紀ごろまでの、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンなどに代表される音楽家によって、書かれた音楽をクラシック音楽と呼んでいます。
しかし、一般的にはクラシック音楽というと、8世紀ころのグレゴリオ聖歌にはじまって、シェーンベルグに代表される、現代音楽までの、西洋のアカデミックな音楽の流れの上にあるものすべてを指すようです。
現代におけるさまざまなジャンルの音楽も、その基本はクラシック音楽にあるいっても過言ではありません。
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■クラシック音楽の分類 |
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クラシック音楽といってもかなり広い範囲の音楽があります。その分類方法にもいくつかありますが、一般の方になじみの多く、便利でわかりやすい、CDショップや楽器店で用いられている分類法にしたがって紹介しています。
中世ルネッサンス音楽
ヨーロッパにおいて、15世紀から16世紀のルネサンス時代に作られた音楽。宗教曲がほとんど。
バロック音楽
ヨーロッパにおける17世紀から18世紀半ばまでの音楽。オペラの原型や、器楽曲の形が確立された。
近代音楽・現代音楽
20世紀後半から現在に至るまで作曲されたクラシックの流れをくむ音楽。一般的には第二次世界大戦までを近代音楽、戦後を現代音楽として取り扱うことが多い。
管弦楽曲
弦楽器、管楽器、打楽器の編成で演奏される曲。オーケストラ曲の総称。
交響曲
シンフォニーとも呼ばれる。オーケストラのために作曲された曲で、基本的に4つの楽章(曲)から出来ている。
協奏曲
コンチェルトとも呼ばれる。オーケストラとソロの楽器による演奏。例えば、ピアノ協奏曲はピアノのソロをオーケストラが引き立てていく。
器楽曲(独奏曲)
楽器のみで演奏される曲。ピアノなどの独奏曲。ヴァイオリンや管楽器とピアノの伴奏の曲など。
室内楽
英語でチェンバー・ミュージックとも言う。少人数で演奏する曲。ピアノ三重奏、弦楽四重奏、室内オーケストラ。
声楽曲
人声の曲。クラシック音楽における独唱の歌は「歌曲」と呼ばれる。重唱、合唱。
宗教曲
キリスト教を題材にしたオラトリオ、受難曲、ミサ曲など。声楽と合唱とオーケストラの編成が多い。
オペラ
歌、演劇、美術の総合舞台芸術。通常の演劇とは異なり大部分が歌唱で進むため「歌劇」と言われる。伴奏は通常はオーケストラが行う。
吹奏楽
管楽器(金管楽器・木管楽器)と打楽器で演奏する形のバンド。ブラスバンド。オーケストラから弦楽器を除いた形。
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■クラシック音楽の歴史 |
クラシック音楽の歴史は次のような時代区分に分けられます。 |
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ルネサンス音楽 バロック音楽 古典派音楽
ロマン派音楽 近代音楽 現代音楽 |
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ルネサンス音楽(1400年頃〜1500年頃)
ヨーロッパにおいて、15世紀から16世紀のルネサンス期に作られた音楽の総称です。「ルネサンス音楽」という特別の音楽があるのではなく、ルネサンス時期に流行った音楽全般のことを指します。
その中心になったのは、ポリフォニー(複数の異なる動きの声部が協和しあって進行する音楽)による声楽と宗教曲です。この時期の音楽家は、ほとんどすべてが教会か宮廷に雇用されていました。彼らは教会の典礼や宮廷の行事、娯楽のための音楽を作曲し、演奏するための人員として雇われていました。したがって音楽はある特定の目的や依頼に応える形でつくられた曲がほとんどです。
バロック音楽 (1600年頃〜1750年)
バロック音楽とは、ルネサンス期が終了する1600年頃からバッハが亡くなる1750年頃までの時代をバロック時代と呼び、この時代に活躍した作曲家、ヘンデル、J.S.バッハ、・テレマン、ヴィヴァルディに代表されるヨーロッパ音楽をバロック音楽といいます。
当時の代表的な楽器としてはリコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ、リュートなどがあります。この時代には多くの楽器が発明され、従来の楽器にもさまざまな工夫や改良が加えられました。また、このバロック時代には、名器として名高いストラディヴァリのヴァイオリンが生み出されました。
古典派音楽 (1750年〜1827年)
古典派音楽は、クラシック音楽の歴史において、巨匠バッハの死(1750年)からベートーヴェンの死(1827年)までを古典派音楽と呼んでいます。古典派時代には、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどの音楽家達が活躍しました。
当時のオーストリアとドイツを統治していたローマ帝国の都ウィーンは、最も豊かで優雅な都市であったため、多くの音楽家たちが職を求めて訪れていました。特に、宮廷楽長のポストや雇い主の候を得ることは、音楽活動を続けていく上で大変重要なことでした。そのため古典派音楽の代表的な音楽家はウィーンで活躍し、そのことにより「ウィーン古典派」とも呼ばれています。
ロマン派音楽(1827年〜1920年頃)
ロマン派時代は音楽史では1827年のベートーヴェンの死から1920年頃までの約100年間を指しています。ロマン派音楽は、ロマン主義の精神によって古典派音楽を発展させていった19世紀のヨーロッパを中心とする音楽を指します。ロマン派音楽は、1世紀あまりの間にあまりに多くの表現手法が多様化されることから、19世紀の半ばを区切りとして前期ロマン派と後期ロマン派に分けられています。
前期ロマン派
前期ロマン派音楽の特徴は、それまで宮廷や教会の専属であった音楽家たちが、独立して、自由な制約のない芸術家になろうとしたことです。また音楽に文学的な要素を取り込んだことは、前期ロマン派音楽の大きな特徴です。代表的な作曲家としては「魔弾の射手」によってドイツオペラを確立したウェーバー。交響曲における標題音楽を確立させたベルリオーズ。交響曲を作曲したメンデルスゾーンやシューマン。ピアノの詩人と呼ばれたショパンなどがいます。
後期ロマン派
後期ロマン派音楽は、主にドイツで発展しました。代表的な作曲家としては、リスト、ワーグナー、ヨハン・シュトラウ2世、ブラームス、ブルックナー、マーラーなどがいます。
また、19世紀後半になると、さまざまな国で民族音楽や民族詩と結びついた民族様式(国民楽派と呼ばれた)が登場しています。ロシアではグリンカにより基礎が作られ、ロシア五人組(ボロディン、キュイ、バラキレフ、ムソルグスキー、リムスキー・コルサコフ)が活躍しました。またモスクワでチャイコフスキーが、ボヘミアでスメタナやドヴォルザークが、ノルウェーでグリーク、フィンランドではシベリウスが国民楽派として活躍しました。
近代音楽(1920年頃〜1918年)
近代音楽は、おおよそ20世紀初頭から第一次世界大戦の終わり頃までの音楽を指しています。この時代の代表的作曲家としては、ドビュッシー、リヒャルト・シュトラウス、シェーンベルク、ストラヴィンスキーバルトークがいます。
現代音楽(1919年〜)
現代音楽は第一次世界大戦以降の音楽を指しています。代表的な作曲家としては画期的な前衛作曲家として名高いアメリカ生まれのジョン・ケージやシュトックハウゼン、ピエール・ブーレーズ、日本を代表する作曲家、武満徹などがいます。
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