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クラシック音楽で「声楽曲」というと歌曲、オペラ、宗教曲などがあります。声楽曲は人の声で創る芸術ですが、人の声は楽器と比べて、細かいニュアンスやダイナミックな感情表現が容易です。そして歌詞という力強い味方を得て、直接心に訴えかける大きな力があります。
人間の心にはいろいろな悩み、喜び、悲しみなどが渦巻いています。うれしいときには、その人の聴く音楽はますます輝きを増し、苦しいときには、音楽によってその苦悩はやわらぎ、そして希望が芽生えてきます。声楽曲はまさにこの人の心に語りかける音楽です。ここでは声楽曲から代表的な歌曲を10曲選んでみました。
(オペラ・アリアはこちら)
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シューベルト:魔王
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18歳のシューベルトがゲーテの詩に触発されて作曲した歌曲の傑作です。詩の中では嵐の夜、病に震える息子を抱いて、自宅へと馬を走らせる父親と、息子を死に誘い込むかのように語りかける魔王のやりとりが劇的に描かれています。
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シューベルト:歌曲集「冬の旅」より“菩提樹”
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歌曲集「冬の旅」は、失恋した若者が町を捨てて放浪の旅を続け、最後には自害するという絶望と悲しみの物語を描いている全24曲の歌曲集です。“菩提樹”はなかでも一番有名な曲で、青年が菩提樹の下で、昔を懐かしんで歌います。
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シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」より“セレナーデ”
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あまりにも有名なこの旋律は「シューベルトのセレナーデ」と呼ばれています。セレナーデは恋人の家の窓の下で奏でるロマンチックな歌や演奏のことです。韓国ドラマ「夏の香り」のテーマ曲にもなっています。
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シューベルト:アヴェ・マリア
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詩人ウォルター・スコットの「湖上の美人」の“エレンの歌第3番“にシューベルトが作曲した曲で、別名「シューベルトのアヴェ・マリア」と呼ばれています。大変美しいメロディとハーモニーで、数あるアヴェ・マリアのなかでも特に人気があります。 |
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シューベルト:ます
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シューベルトの歌曲として、たいへん人気の高い曲の1つ。ドイツの詩人シューバルトの歌詞に作曲されており、ずる賢い漁師が罠を使って魚を吊り上げるさまを歌っています。これは「男はこのようにして女をたぶらかすものだから、若いお嬢さんは気をつけなさい」といった比喩となっている。
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シューベルト:野ばら
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日本語訳で「わらべは見たり 野中のばら・・・」ではじまる有名な曲です。ゲーテが民謡風に歌った作品ですが、この詩にはシューベルトの他、ウェルナー、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスを始め、多くの作曲家が曲をつけていますが、中でもシューベルトと、ウェルナーのものが特に有名です。
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モーツァルト:すみれ
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モーツァルトの唯一のゲーテの詩につけた曲で、モーツァルトの歌曲の中で最も有名なものの1つです。歌詞は「すみれがひっそりと咲いていた。とても愛らしいすみれだった。そこへ羊飼の娘が楽しそうに歌いながらやってきた。すみれは、娘の手に摘まれ、ほんの少しでも胸に押しあててもらえたらと望んだが、娘はすみれには目もくれず、すみれを踏みつけてしまった。すみれはつぶれ息絶えたが、娘に踏まれて死んだことをうれしく思った。哀れなすみれ・・」モーツァルトはこれを劇的な音楽に仕立てています。
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北原白秋詞・中山晋平作曲:砂山Amazonで試聴
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北原白秋詞・山田耕筰作曲:砂山Amazonで試聴
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「海は荒海 向こうは佐渡よ・・」の詩で良く知られる北原白秋の詩は、複数の作曲家により作曲されていますが、中山晋平と山田耕筰の作曲による2曲がよく知られています。2曲とも現在に至るまで歌い継がれている日本を代表する歌曲の一つです。
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北原白秋詞・山田耕筰曲:この道
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「この道はいつか来た道ああ そうだよ・・」北原白秋が大正14年夏、歌人の吉植庄亮と約半年間、北海道を旅行しますが、その時の印象をもとに作った詩に山田耕筰が作曲しました。日本の歌百選に選定されています。
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カプア:オー・ソレ・ミオ(私の太陽)
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1898年のナポリの民謡祭の歌曲募集で2位になった曲です。現在では、どなたもよくご存知の代表的なカンツォーネ(イタリア民謡)です。エルビスプレスリーによるカバー「It's
now or never」は、世界中で1千万枚を超える大ヒットを記録しました。
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